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東京地方裁判所 平成2年(モ)6542号 判決 1994年6月06日

申請人

古岡秀人

申請人

古岡滉

右両名訴訟代理人弁護士

青山周

宮本光雄

被申請人

東京ふじせ企画労働組合

右代表者執行委員長

三巻義明

被申請人

国分真一

被申請人

竹内輝夫

被申請人

岩崎治

被申請人

三巻義明

右五名訴訟代理人弁護士

三島浩司

高橋美成

主文

当庁昭和六三年(ヨ)第二二二四号面会強要等禁止仮処分事件につき、当裁判所が平成元年三月二四日なした仮処分決定を認可する。

訴訟費用は被申請人らの負担とする。

事実及び理由

第一請求

主文第一項と同旨

第二事案の概要

本件は、申請人らの経営する会社から編集業務の再受託をしていた会社の従業員の一部及びこの従業員によって組織された労働組合が申請人らに対し、団体交渉要求行動と称して自宅に赴き面会等の要求行動に出たことから、申請人らの申請に基づき、これら面会強要等を禁じた主文掲記の仮処分決定(以下「本件仮処分決定」という。)に対し、被申請人らが事実誤認・判断の誤りを主張して申立てた異議事件である。

一  当事者関係・被申請人らの団体交渉要求項目等

1  当事者関係

証拠(<証拠・人証略>)によると、次の事実を一応認めることができる。

申請人古岡秀人(以下「申請人甲」という。)は、申請外株式会社学習研究社(以下「申請外学習研究社」という。)の創始者であり、昭和二二年三月、代表取締役社長に就任し、同五七年一一月に同社の代表取締役会長に就任し、現在に至っている。

また、申請人甲は、本件仮処分決定別紙一の1記載の土地・建物を所有し、これを住居として妻及び家事使用人とともに居住しており、同申請人の住居は、同別紙二の図面のとおりであり、住居から外部に出入りするには門を通るしかなく、これ以外は、隣地の敷地を横断しなければならない。

申請人古岡滉は(以下「申請人乙」という。)、申請人甲の子息であり、昭和五七年一一月に申請外学習研究社の代表取締役社長に就任し、現在に至っている。

また、申請人乙は、本件仮処分決定別紙一の2記載の土地・建物を所有して、これを住居として妻、長男夫婦、家事使用人とともに居住しているが、同申請人の住居は、同別紙三の図面のとおりであり、住居からの外部に出入りするには門及び勝手、ガレージ北側・南側出入口等に限定されている。

被申請人東京ふじせ企画労働組合(以下「被申請人ふじせ労組」という。)は、昭和五二年一二月四日、申請外株式会社東京ふじせ企画(以下「申請外東京ふじせ」という。)の従業員の内約二〇名をもって組織された労働組合であったが、後記認定のとおり、申請外東京ふじせが昭和五三年三月九日破産宣告により倒産し、これに先立つ同年一月二〇日、従業員全員を解雇した後も、この従業員の内一三名が組合員として申請外学習研究社に対する抗議行動を中心とした活動を展開している。

被申請人国分真一(以下「国分」という。)、同竹内輝夫(以下「竹内」という。)、同岩崎治(以下「岩崎」という。)、同三巻義明(以下「三巻」という。)は、いずれも申請外東京ふじせの元従業員で、被申請人ふじせ労組に加入し、申請外東京ふじせが倒産し、従業員全員が解雇された後も同労組に組合員として残留し組合活動をしている。

2  申請外東京ふじせの倒産と従業員全員に対する解雇

証拠(<証拠略>)によると、次の事実を一応認めることができる。

申請外東京ふじせは、申請外学習研究社の編集業務の一部受託会社であった申請外株式会社ふじせ企画(以下「申請外ふじせ」という。)から、同業務を再受託していたところ、申請外ふじせ代表取締役社長工藤英一は、昭和五二年一二月一二日、申請外東京ふじせに被申請人ふじせ労組が結成され、同労組が過激であること等を理由に申請外学習研究社に対し受託業務を返上し、同年一二月中旬以降営業を停止(昭和五九年一二月二日商法四〇条の三第一項による解散登記)した。このため申請外東京ふじせは、申請外学習研究社からの委託業務以外の業務を殆どしていなかったため、休業状態に陥り、昭和五三年一月二〇日、従業員全員を解雇し、同年二月八日、自己破産の申立てをなし、同年三月九日、破産宣告を受けざるを得なかった。

3  被申請人ふじせ労組の申請外学習研究社に対する抗議行動及び団体交渉の要求

証拠(<証拠略>)によれば、次の事実を一応認めることができる。

被申請人ふじせ労組は申請外学習研究社に対し、昭和五三年一月二七日、同社が申請外東京ふじせに被申請人ふじせ労組が結成されたことを理由に業務を引上げたため、申請外東京ふじせの従業員は失業状態にあり、申請外学習研究社は誠意をもって対応する必要があるとして、団体交渉開催の要求書を提出した。これに対し、同社は、翌二八日付書面をもって「貴組合員の使用者ではありませんので団体交渉を行う必要は、全くありません。」と回答した。その後も同労組は同社に対し、同様の団体交渉の開催の要求をしてきたが、これに対し、同社は同様の拒否回答をしてきている。

4  被申請人ふじせ労組の東京都地方労働委員会に対する救済申立てとこれの棄却命令

証拠(<証拠略>)によると、次の事実を一応認めることができる。

被申請人ふじせ労組は東京都地方労働委員会に対し、申請外学習研究社を相手に団体交渉の応諾を求める不当労働行為救済申立て(都労委昭和五三年不第一三四号事件)をなすとともに、申請外ふじせ及び申請外学習研究社を相手に、現(ママ)職復帰とバックペイの支払を求める不当労働行為救済申立て(都労委昭和五三年不第一三五号事件)をなしたが、同委員会は、昭和六二年九月二二日、申請外学習研究社は申請外東京ふじせの従業員の使用者にはあたらないとして、申請外学習研究社に対する右申立てをいずれも棄却した。

二  争点

争点は、被申請人らの申請人らに対する差止請求の対象となる面会強要等の行為の存否(被保全権利の存否)と保全の必要性の有無とである。

(被申請人らの主張の要旨)

1 申請外学習研究社の業務委託の目的

申請外学習研究社が申請外ふじせ及び申請外東京ふじせに「科学」、「学習」等の編集業務を委託したのは、申請外学習研究社の従業員によって組織された申請外全学研労働組合を嫌悪し、この弱体化を狙うと共に、編集制作ラインから同労組員を排除するためであった。

このようなことから、申請外ふじせ及び申請外東京ふじせは、申請外学習研究社の要求どおりに業務をするだけで独自の主体的活動をしておらず、従業員に対する指揮・監督も申請外学習研究社がなしていた。

2 申請外学習研究社の委託業務の引上げの狙い

申請外学習研究社は、被申請人ふじせ労組が昭和五二年一二月四日に結成されるや同労組を解体・潰すために申請外東京ふじせから委託業務を引上げ、同社を倒産させた。

3 被申請人ふじせ労組の申請外学習研究社に対する団体交渉の要求の正当性

申請外学習研究社は、右に述べたところから明らかなように申請外東京ふじせのもと従業員に対して使用者としての責任を負うべき立場にあるのであるから、被申請人らに対し団体交渉に応ずべき義務があり、したがって、被申請人らが申請外学習研究社に対し団体交渉を要求することは当然の権利であり、この要求を正当の理由なく拒否することは不当労働行為となる。

本件仮処分決定は、右のような労使紛争の本質について何ら言及することなく被申請人らの正当な要求行動を妨害行動として禁止したのであって、極めて不当である。

4 被申請人らの申請人らに対する団体交渉の要求行動の正当性と事実誤認

申請外学習研究社は、被申請人らの団体交渉の要求を一切拒否してきた。そこで、被申請人らは、同社の最高責任者である申請人らに対し、直接団体交渉に応じるよう要求して申請人らの自宅まで赴いて要求行動に出たのであるから、この行為は受認(ママ)限度内の正当な行為と評価されるべきである。

しかるに、本件仮処分決定は、被申請人らの行為につき誤った事実認定をなし、被申請人らが申請人らに対し様々な妨害行為をなしたと認定しているが、この認定は申請人らの虚偽に満ちた主張を鵜呑みにし、被申請人らの主張を全く等閑に付した結果の誤った認定であり、被申請人らは申請人らに対しこのような妨害行為を全くしていない。

被申請人らのなした団体交渉要求行動の態様は一か月に一回、申請人らの自宅に赴き、インターホンを押す等して来意を告げ、門前にて申請人らの誠意ある対応を求めて待機し、申請人らが外出のため外に出てきたときには「団交要求書を受け取り、話し合いに応じて争議を解決するように」と声を掛け、申請人らが外に出てこないときには一時間三〇分から二時間待機して立ち去るというもので、その間のハンドマイクの使用時間も最初と中程と行動終了時の三回、各二分から三分間で、音量も極めて適量になされたに過ぎない。

第三争点に対する判断

一  被申請人らの申請人らに対する差止請求の対象となる面会強要等の行為の存否(被保全権利の存否)について

1  認定事実

被申請人らは、申請外学習研究社が前記認定のように団体交渉の要求を拒否していることから、同社の最高責任者である申請人らに対し、本件仮処分決定別紙四に認定したとおりの実力行動に及んだ。

但し、右認定事実中、認定証拠及び認定事実の一部の訂正・変更は次のとおりである。

原決定別紙四の1について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同2について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

同3について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

同4について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中「その後、右被申請人らは、…同一〇時五〇分頃立ち去った。」までを、「その後、右被申請人らは、同九時四〇分頃から同一〇時五〇分頃まで、申請人甲宅前において、携帯用拡声器を使用して演説をしたり、シュプレヒコールをしたりした。」と改める。

同5について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「同九時五〇分頃申請人甲宅に押しかけ、…行うなどした。」の部分を除く。

同6について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「申請人宅」とあるを「申請人乙宅」と改める。

同7について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「その後同八時三〇分頃から…行ったりした。」の部分を除く。

同8について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

同9について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

同10について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同11について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同12について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同13について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同14について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同15について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「申請人甲宅の門扉に赤旗を、石垣には白旗を掲示したり、」の部分を除く。

同16について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同17について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「前同様の横断幕を同宅の石垣に掲示したり、」を除く。

同18について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同19について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同20について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同21について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同22について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同23について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「前同様の横断幕を申請人甲宅の石垣に立てかけ」の部分を除く。

同24について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「前同様の横断幕を申請人甲宅の石垣に掲示したり、」の部分を除く。

同25について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同26について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同27について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「四月一七日」とあるを「四月七日」と改める。

同28について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同29について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する国分の供述は信用できない。

同30について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び竹内、国分の各供述は信用できない。

同31について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同32について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同33について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同34について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び竹内、国分の各供述は信用できない。

同35について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同36について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同37について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同38について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同39について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同40について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同41について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

但し、同認定事実中、「威迫し」とあるを「声をかけ」と改める。

同42について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び竹内、国分の各供述は信用できない。

但し、同事実中「古岡社長に団交に応じろ!」とあるを「古岡社長は団交に応じろ!」と訂正する。

同43について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同44について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同45について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同46について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同47について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同48について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同49について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同50について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同51について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同52について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同53について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同54について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同55について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同56について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

同57について

(証拠略)により一応認めることができ、この認定に反する(証拠略)及び国分の供述は信用できない。

2  当裁判所の判断

当裁判所も被保全権利についての本件仮処分決定の認定・判断を正当として是認する。

本件仮処分決定が認定・判断しているとおり、前記認定にかかる被申請人らの諸々の行為のうち、申請人らの居宅のインターホンを連打するなどして申請人らに面会を強要する行為及び右居宅の門前またはその付近において、拡声器を用いて演説を行い、またはシュプレヒコールを反復連呼するなどして喧騒音を発する行為は、申請人らの私生活の平穏を侵害するものであり、また、申請人らの居宅の門前またはその付近路上において、申請人らを取り囲み、その身体に掴み掛かるなどして、申請人らの居宅からの出入通行を妨害し、または申請人らの乗車した自動車の前に立ち塞がったり、ボンネットに乗るなどしてその走行を妨害する行為は、申請人らの行動の自由を侵害するものであり、そして、これらの行為は、その態様・期間・頻度・程度等からみて受認限度を超えたものということができる。

被申請人らは、申請外学習研究社は申請外東京ふじせのもと従業員に対し使用者としての責任を負うべき立場にあるから、被申請人らが申請外学習研究社に対し団体交渉を要求することは当然の権利であるとし、本件仮処分決定は、このような労使紛争の本質について全く言及しておらず、不当である旨非難する。

しかし、本件の争点は、被申請人らが主張するような申請外学習研究社が申請外東京ふじせのもと従業員に対し使用者としての責任を負うべき立場にあるか否かとか、被申請人らが申請外学習研究社に対し団体交渉を要求する権利があるか否かといった点にあるのではなく、前記争点として掲記したところにあるのであるから、本件仮処分決定が被申請人らの指摘する点を争点として判断を示していないことは当然のところであって、これを捉えて非難することは当を得ない。

また、被申請人らは、申請外学習研究社が被申請人らの団体交渉の要求を一切拒否しているという違法状態の下においては被申請人らの要求行動は受認限度の範囲内のことである旨主張する。

しかし、被申請人らの申請人らに対する前記受忍限度を超えた面会強要等の行為が被申請人らの主張する団体交渉拒否の違法性の有無とは直接的な関わりがあるとは解せられないから、被申請人らの右主張は理由がない。

二  保全の必要性の有無について

当裁判所も、被申請人らの申請人らに対する前記認定の侵害行為の態様・程度は顕著であって現行法秩序のうえから到底許されるものではなく、さらに、被申請人らは、本件仮処分決定後も同様の行為を繰り返しており(<証拠略>)、そして、今後も同様な侵害行為が繰り返される蓋然性が高いと認められるから、本件仮処分決定の認定・判断のとおり、保全の必要性があるものと判断する。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 林豊)

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